亡くなった母がピアノで弾くのは決まって「みかんの花咲く丘」でした。みかんの花が咲いている~で始まる、昭和21年に作られた曲です。一応左手の伴奏つきです。なぜ一応かというと、初めから終わりまでドミソを繰り返す伴奏だからです。聞くともなしに耳にする私は、所々気持ちがざわつきます。伴奏をメロディーに合わせて、ドファラとかシレソに変えてほしいと思っていたからです。そのことを何度か言ったことがありますが、「お母さんはこれでええの」といつも退けられました。今思うと、難しかったからかもしれません。自分にとっては簡単なことだったので、気軽に言ってしまったのでしょう。私が進学で実家を離れる前までの話です。「教えて」と言われないで良かった!泥沼にはまって関係悪化となるより、私ががまんすればいいんですから。ピアノにまつわる母との思い出です。音楽って思い出とセットになっていること、多いですよね!